【6月7日 AFP】米ナスダック(NASDAQ)市場を運営するナスダックOMXグループ(NASDAQ OMX)は6日、米交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)が5月18日に新規株式公開(IPO)を実施した際、取引所のシステム障害により生じた混乱で損失を被った証券会社に対する補償金として、総額4000万ドル(約31億7000万円)を確保すると発表した。

 ナスダックOMXグループは声明で、取締役会で「1度限りの自主的な補償計画」が承認されたと説明。ナスダック加盟企業に現金で計1370万ドル(約10億9000万円)を支払い、残りは今後6か月間で資格を有すると判断された請求者の取引コストを割引することで対応する。

 計画の実施には米証券取引委員会(Securities and Exchange CommissionSEC)の承認が必要で、米国の証券取引に関する自主規制機関である米金融取引業規制機構(Financial Industry Regulatory AuthorityFINRA)が証券会社の請求を審査するという。

 フェイスブックは160億ドル(約1兆2700億円)のIPOを実施したが、その規模はナスダックのシステムを混乱させた。取引開始が30分遅れた上、投資家や証券会社は注文がどうなったのか数時間、把握できない状態となった。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)によると、ナスダックの今回のシステム障害に関連した損失請求は推計で1億ドル(約79億円)を超えるとされる。(c)AFP