【5月24日 AFP】23日の欧州市場は、株価は下落し通貨ユーロは1年10か月ぶりの安値をつけた。23日夜に開かれた非公式の欧州(EU)首脳会合で対策が打ち出されないとの見方が出たことや、ギリシャのルカス・パパデモス(Lucas Papademos)前首相がギリシャのユーロ離脱の可能性に言及したことが材料視された。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相が、ユーロ圏各国が共同で債券を発行するユーロ共同債導入への反対姿勢をあらためて示したことも市場に影響した。ドイツ以外のユーロ導入国や国際通貨基金(IMF)は共同債導入の検討を求めている。

 欧州株価は軒並み下げた。英ロンドン(London)市場のFTSE100種総合株価指数は2.53%安、独フランクフルト(Frankfurt)のドイツ株式指数(DAX)は2.33%安、仏パリ(Paris)市場のCAC40種指数は2.62%安。イタリアの主要株価指数FTSE・Mib指数は3.68%安、スペイン市場の株価指数は3.31%下げて2003年5月以来の安値を記録した。

 ユーロは午後の取引で1ユーロ=1.2564ドルまで下げ、2010年7月13日以来の安値を付けた。

 経済問題を扱うシンクタンク、キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)のジョン・ヒギンズ(John Higgins)氏は「株式市場は23日も大きく下げた。ギリシャのユーロ離脱回避に向け、非公式のEU首脳会合で対策が打ち出されるとの見方に対する疑念が膨らみ、ユーロも一段と売られた」と述べた。(c)AFP