【5月7日 RenewableEnergyWorld.com】バイオ燃料の大量生産環境が整いきっていない中国が、促進策などを導入して、バイオ燃料産業の発展推進を模索している。

 中国国家能源局(エネルギー局)報道官によると、中国政府は第12次5か年計画(2011~15年)でバイオエタノール燃料の目標値を500万トンと設定している。第11次5か年計画(2006-10年)の約2倍に相当する値だ。

 バイオ燃料技術は既に中国全土で向上しつつあるが、原料不足が大規模な商業的応用を阻んでいる。

 バイオ燃料は石油の代替であるのみならず、経済成長の触媒ともなる。中国・清華大学(Tsinghua University)新エネルギー技術研究所の李十中(Li Shizhong)副所長は、バイオ燃料産業について「他のさまざまな産業の発展をけん引できる総合的なシステムだ」と語る。また「他の産業と異なり、農家の収入増や農作業従事者の雇用創出など、農業関連の多くの問題を解決して社会的安定を支える」と評価する。

 中国国家発展改革委員会(National Development and Reform CommissionNDRC)と農業省、財政省は、第12次5か年計画の期間中に作物の茎部の包括的活用を実施する計画を発表。セルロース系エタノールの産業化を促進して、作物茎部の活用を30%に高める方針を打ち出した。業界筋は非食用エタノール産業の新たな発展機会として歓迎している。

 李氏によれば、660平方メートルのスイートソルガム栽培地からエタノール燃料約1トンが生産できる。一方で、自動車がバイオ燃料を使用すれば二酸化炭素(CO2)排出は30%以上抑えられる。

 しかし、燃料エタノールの主要原料の1つであるスイートソルガム茎の大量生産は、収穫、貯蔵、移送の総合的なシステムの不備によりいまだ難しい状況だ。このため、非食用バイオ燃料に対する減税や年間助成金などの補助的な促進策が検討されている。(c)RenewableEnergyWorld.com/Liu Yuanyuan/AFPBB News

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