【4月16日 Relaxnews】高級スポーツカーとして有名なイタリアのマセラティ(Maserati)だが、前週発表された新戦略を見る限り、今後はより「身近」な自動車メーカーとなりそうだ。

 2011年のマセラティの生産台数は6159台で、路上でも最も「レア」なブランドの1つだった。しかし、マセラティの親会社フィアット(Fiat)は前週、2015年までにマセラティの年間生産台数を5万台に引き上げ、新車3種を投入すると発表した。

 既にSUV「クーバン(Kubang)」を発表しているが、今後は独BMWの「5シリーズ」や同アウディ(Audi)の「A6」などに対抗する車種として、4ドアサルーン「クアトロポルテ(Quattroporte)」(販売価格12万7000ドル、約1023万円)の「ライト」バージョンを投入すると見られる。

 更にお手頃な車種を求める消費者層にも、マセラティ製の新車種がもうすぐお目見えとなりそうだ。

 フィアット社はコスト削減の一環として、マセラティと同じく傘下にあるアルファロメオ(Alfa Romeo)の新車を、イタリア・モデナ(Modena)にあるマセラティの工場で生産する方針だ。車種は不明ながら、アルファロメオの高性能フラッグシップモデルとなる後輪駆動クーペと考えられ、欧米で発売が見込まれている。価格は5万ユーロ(約523万円)前後と予想される。

 業界誌「Automotive News」によれば、マセラティの工場でアルファロメオの新車を生産する理由は「アルファロメオにはじっくりと車を手作り出来る専門家がいない」ため。つまり、消費者はマセラティの高いクオリティを保ちつつ、価格はマセラティの数分の1に抑えた車を入手できるようになるのだ。

 この新車は、前年ジュネーブモーターショー(Geneva Auto Show)に出品された「4Cコンセプト」をベースにしたもので、13年発売と見られる。(c)Relaxnews/AFPBB News