【3月27日 AFP】東京電力(TEPCO)が定期検査のため柏崎刈羽原子力発電所6号機を停止したことを受け、日本国内で稼働する原発は26日、わずか1基となった。

 東京電力の広報担当はAFPの取材に対し、柏崎刈羽原子力発電所6号機が「25日午後11時59分に発電を停止し、26日午前1時46分に原子炉を停止した」と述べた。

 高温多湿となる夏季の電力需要増加に用心深い目線が向けられる中、東電管内の原発17基は、福島第1原発事故でメルトダウン(炉心溶融)した3基を含め全基が停止した。日本国内の原発全54基のうち、現在は北海道の原発1基のみが稼働中だが、同基も5月に定期検査のため停止する。

 停止中の原子炉を再稼働するには地元住民の同意が必要だが、周辺住民の多くは、再稼働を望んでいないのが現状だ。そのため、各電力会社は化石燃料への依存度を高める以外に選択肢がなくなっている。

 また地元の同意の他にも、再稼働には経済産業省の原子力安全・保安院(Nuclear and Industrial Safety Agency)の実施するストレステスト(耐性検査)に合格した上で、内閣府原子力安全委員会の審査を通過する必要がある。

 東電の西沢俊夫社長は25日、「当面の電力需給に関しては、安定供給は確保できる見通し」との声明を発表している。(c)AFP