【3月15日 AFP】イタリアからの13日の報道によると、シチリア(Sicilia)島のモンレアーレ(Monreale)で、地元自治体が電気料金を滞納したため町への送電が止められ、街灯が消える事態となっている。夜になると住民らは懐中電灯を使うほかなく、治安悪化を恐れる声も上がっているという。

 モンレアーレは、ノルマン様式の大聖堂で人気の観光地パレルモ(Palermo)近くの町。13日には地元輸送会社も、町が滞納している60万ユーロ(約6600万円)相当の資産差し押さえを求めた。

「事態は日に日に深刻化している」と、町議会の野党・民主党(Democratic Party)のマッシミリアーノ・ロ・ビオンド(Massimiliano Lo Biondo)議員は伊メディアに話した。「住民は治安に不安を感じており、商店は公共サービス削減の犠牲となっている」。電力会社の滞納者リストに加えられたことによって、町はさらなる予算縮小を余儀なくされるだろうとも述べている。

 イタリアでは多くの自治体が長年にわたって無計画な支出を続けてきた末に、国家財政立て直しを掲げて就任したマリオ・モンティ(Mario Monti)新内閣が導入した厳しい予算削減策によって窮地に立たされている。(c)AFP