2020年の中国人消費者は「感情」を重視、マッキンゼー報告書
発信地:香港
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【3月12日 AFP】2010年代に中国経済の原動力は投資から消費へと移行し、消費者はますます感情的で個人的になるだろうとの予測を、コンサルティング大手のマッキンゼー(McKinsey)グループが7日、発表した。
1万5000人以上へのインタビューを元にまとめられた報告書「Meet the 2020 Chinese Consumer(2020年の中国人消費者)」は、中国の経済成長に占める個人消費の割合が2010年の33%から、2020年には43%に増加すると予測。またこの間、裁量支出は13.4%増加すると見ている。
この消費行動の変化の主な要因としては、賃金上昇、都市化と産業化、社会的流動性の増大、教育水準の向上、「一人っ子政策」、自立した女性の増加、地域間で拡大する経済格差などを挙げた。
1世帯あたりの平均年間可処分所得は2010年~20年に約4000ドル(約33万円)から約8000ドル(約66万円)に倍増する見込み。可処分所得が1万6000~3万4000ドル(約130万~280万円)と比較的裕福な「主流」消費者層の都市部人口に占める割合も、この間、6%から51%に急増すると予測されている。
■消費活動は「感情」重視に
消費活動は、より感情を重視したものになると予測されている。
「収入が増えるにつれて、その商品が『私の気分を良くするか』という感情的側面が重視されるように(消費パターンが)変化する」と、マッキンゼーのグレーター・チャイナ消費財部門主管、マックス・マーニ(Max Magni)氏は説明する。
報告書に記載されている例では、チョコレートを買う際に「自分の社会的地位」や「自分にふさわしいブランド」という概念を考慮する人の割合が、2009年には8.0%だったのに対し、現在では全体で19%、より裕福な消費者層では24%と急増している。
一方、「衝動買い」をする中国人消費者はあまり増えないだろうとも予測されている。衝動買いをしたことがあると答えた英国人は49%だったのに対し、中国人の場合はわずか28%だった。マッキンゼーは、中国人が根強く持つ「慎重さ」や「節約」の意識は、なかなか変わらないだろうと指摘する。
報告書では、「所得の急増に伴い消費も急増し、貯蓄率は下がるだろう」としつつも、「商品について調べる時間や手間をいとわない中国人は、『賢い』消費者であり続けるだろう。これから価格の比較が容易になるにつれ、さらに賢い消費者となっていくかもしれない」と結論している。(c)AFP/Beh Lih Yi
1万5000人以上へのインタビューを元にまとめられた報告書「Meet the 2020 Chinese Consumer(2020年の中国人消費者)」は、中国の経済成長に占める個人消費の割合が2010年の33%から、2020年には43%に増加すると予測。またこの間、裁量支出は13.4%増加すると見ている。
この消費行動の変化の主な要因としては、賃金上昇、都市化と産業化、社会的流動性の増大、教育水準の向上、「一人っ子政策」、自立した女性の増加、地域間で拡大する経済格差などを挙げた。
1世帯あたりの平均年間可処分所得は2010年~20年に約4000ドル(約33万円)から約8000ドル(約66万円)に倍増する見込み。可処分所得が1万6000~3万4000ドル(約130万~280万円)と比較的裕福な「主流」消費者層の都市部人口に占める割合も、この間、6%から51%に急増すると予測されている。
■消費活動は「感情」重視に
消費活動は、より感情を重視したものになると予測されている。
「収入が増えるにつれて、その商品が『私の気分を良くするか』という感情的側面が重視されるように(消費パターンが)変化する」と、マッキンゼーのグレーター・チャイナ消費財部門主管、マックス・マーニ(Max Magni)氏は説明する。
報告書に記載されている例では、チョコレートを買う際に「自分の社会的地位」や「自分にふさわしいブランド」という概念を考慮する人の割合が、2009年には8.0%だったのに対し、現在では全体で19%、より裕福な消費者層では24%と急増している。
一方、「衝動買い」をする中国人消費者はあまり増えないだろうとも予測されている。衝動買いをしたことがあると答えた英国人は49%だったのに対し、中国人の場合はわずか28%だった。マッキンゼーは、中国人が根強く持つ「慎重さ」や「節約」の意識は、なかなか変わらないだろうと指摘する。
報告書では、「所得の急増に伴い消費も急増し、貯蓄率は下がるだろう」としつつも、「商品について調べる時間や手間をいとわない中国人は、『賢い』消費者であり続けるだろう。これから価格の比較が容易になるにつれ、さらに賢い消費者となっていくかもしれない」と結論している。(c)AFP/Beh Lih Yi