【2月19日 Relaxnews】日本政府は、観光業への東日本大震災による影響を払しょくして、訪日外国人観光客を2016年までに1800万人に増やす意欲的な目標を設定した。

 2010年の外国人観光客数は、政府の観光立国推進キャンペーンにより過去最高の861万人に上った。観光当局は、2011年にさらなる観光客の増加を見込み、1000万人を目標に設定していた。

 だが3月11日に発生した大地震とそれに続く大津波、そして福島第1原子力発電所の事故により、その目標の達成は不可能となり、2011年の訪日外国人観光客数は622万人にまで減少した。

 震災の危機が弱まった2012年、政府は、観光立国を再び推進する方針だ。

 政府が承認する見通しの2012年度(12年4月)から5年間の次期観光立国推進基本計画案は、2016年に国内宿泊旅行で18兆円、国内日帰り旅行で6.5兆円、訪日外国人観光客で3兆円で、年30兆円の国内消費の拡大を目指している。

 同案では中国と韓国、近隣アジア諸国からの観光客を中心に、外国人観光客に提供する情報の量を拡充することが示されている。また短期旅行者や再訪問者にとっての魅力を高めるだけでなく、有名観光地以外の場所へ観光客が訪問する機会を増やす方針だ。

 一方、日本政府観光局(JNTO)は、震災から1年が近づく中、日本全国どの地域も実質的に完全に安全で、食料や水にも健康への危険はないとのメッセージを広報している。同局によれば北海道や沖縄、関西地方や九州地方などで観光客数が回復し始めているが、東京の回復は弱めだ。

 観光業は、現在は日本の国内総生産(GDP)のわずか2%にすぎないが、政府は今後その割合を高めていきたい考えだ。(c)Relaxnews/AFPBB News

【参考】観光庁の「観光立国推進基本計画(案)の概要」(PDF)