【2月10日 AFP】米アップル(Apple)製品を製造する中国の工場の労働環境改善を訴える活動家らが9日、米ニューヨーク(New York)などのアップルの直営店に、改善を求める嘆願書を提出した。

 ニューヨークやワシントンD.C.(Washington D.C.)、英ロンドン(London)など各国の主要都市のアップル直営店での抗議行動を呼びかけている団体の1つ「Change.org」のサラ・ライアン(Sarah Ryan)さんは、嘆願書提出の目的は「アップルとの対話を始めること」だと語った。

 これまでにChange.orgは20万人、SumOfUs.orgは5万7000人の署名を集め、ライアンさんらは、前年12月9日にオープンしたニューヨークのグランドセントラル駅(Grand Central Station)のアップル直営店に署名を提出した。アップルの店員はとても礼儀正しく、問題なく署名を渡すことができたという。

 米紙ニューヨークタイムズ(New York Times)は前月、iPhoneiPadなどを製造する中国工場の労働者たちが、行き過ぎた残業を強いられるなど劣悪な環境で働かされている上、2011年にiPad生産工場で2度も爆発があり、計4人が死亡、77人が負傷したと報じていた。

 こうした報道に対し、アップルのティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)は1月、実態調査を実施する工場を増やし、同社のサプライチェーンを世界の向上の労働条件の改善を目指す企業や大学などが作った団体「公正労働協会(Fair Labor Association)」に公開するなどの対応をとっているとアップル社員に送った電子メールで説明している。(c)AFP