インド、仏戦闘機の大量購入で交渉入り
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【2月1日 AFP】インド政府は126機の戦闘機購入計画について、仏航空機メーカーのダッソー(Dassault)と独占交渉に入った。総額は120億ドル相当(約9100億円)に達するとみられる。
インド政府関係者によると、ダッソーは欧州共同開発機のユーロファイター(Eurofighter)よりも低価格を提示した。今回の発注は、現行の1件あたりの戦闘機購入規模としては世界最大だという。
インド空軍が欧州共同開発のユーロファイター戦闘機「タイフーン(Typhoon)」ではなく、ダッソーの「ラファール(Rafale)」戦闘機を選定したことについて、フランス政府は歓迎の意を表明しつつも、まだ最終決定には至っていないとして、慎重な姿勢を崩していない。
フランスのピエール・ルルーシュ(Pierre Lellouche)貿易担当相は仏ラジオ局BFMに対し「予断は許さないが、現在独占交渉に入っている」と述べ、受注額の詳細は明らかにしなかった。
独占交渉が報道されると、パリ(Paris)市場のダッソー株価は20%以上高騰した。 ユーロファイターは声明でインド政府の決定を尊重するとしながら、「最終契約ではないとはいえ、我々は落胆している」と述べた。
今回の大規模受注をめぐっては過去4年間、激しい受注合戦が繰り広げられてきた。インド政府は前年4月、予想に反し米航空宇宙大手のボーイング(Boeing)やロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、スウェーデンのサーブ(Saab AB)、戦闘機MiG-35を開発したロシアの航空機メーカー・ミグ(MiG)社を選定から外していた。
126機のうち18機は2012年までにフランスから輸入し、追加注文の可能性もある残りの108機はインド国内で生産する。
こうした大規模受注の存在を背景に、インドへはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領やデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相、ドミトリー・メドべージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領が訪問し、関係各国は積極的なロビー活動を展開してきた。
急成長するインドは、新興国の中でも最も多く兵器を購入している。戦闘機の購入は、国境を接するパキスタンと中国に対する防衛力を高め、軍事力の増強を狙うインドにとって重要な戦略だ。
ラファールとタイフーンは前年、リビアで北大西洋条約機構(NATO)が展開した飛行禁止空域設定のための軍事行動で使用された。
ジェラール・ロンゲ(Gerard Longuet)仏国防相は前年12月、ラファールが海外で売却できなければ、製造を中止すると警告していた。フランス政府はラファールを180機発注している。(c)AFP/Pratap Chakravarty