【1月24日 AFP】スイスのスキーリゾート地ダボス(Davos)で25日開幕する第42回世界経済フォーラム(World Economic Forum)年次総会(ダボス会議)では、世界の政財界の指導者らが「時代遅れで崩壊しつつある」資本主義システムを改革する方策を早急に見つけ出すよう求められるだろう。

 世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ(Klaus Schwab)会長(73)は「われわれは全面的な倫理感の断絶があり、過剰レバレッジに陥っており、未来に投資することをおそろかにし、社会の統一性を弱体化させ、そして未来の世代からの信頼を完全に失う危険にさらされている」と述べた。

「時代遅れで崩壊しつつあるモデルで問題を解決しようとしても、さらに深みにはまるだけだ。われわれは旧態依然とした考えではなく、新しい発想が不可欠な変革の時代にいる。今の形の資本主義がわれわれの世界に存在する余地はない」(シュワブ会長)

 5日間の日程のダボス会議に集まるのは、国や政府の首脳40人を含む政財界のリーダー約1600人。それぞれが、新たなアイデアを提示することを求められている。

■幅広い議題、オキュパイ運動の計画も

 開かれるセッションは、2012年を形作る科学的発見をめぐる会議から、ベートーベン(Ludwig van Beethoven)のソナタを新旧の楽器で演奏したときの聞き比べをめぐるディスカッションや、現実世界にイノベーションを起こすためにバーチャルなゲームが果たすことのできる役割など多岐にわたる。

 また、2011年にアラブ世界を席巻した一連の革命により起きた同地域の広範囲な変化について話を聞く機会もあり、チュニジアのハマディ・ジェバリ(Hamadi Jebali)新首相やエジプトの大統領候補アムル・ムーサ(Amr Mussa)氏も出席する。

 アラブ地域以外の政治問題も取り上げられる。メキシコからはフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領が出席し、ナイジェリアからグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領、南スーダンからはサルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)大統領が出席する。

 また、会議開催地の警備にはスイス軍兵士5000人以上が動員され、ダボス周辺の空域は期間中厳しく規制される。

 一方、「オキュパイ世界経済フォーラム(Occupy WEF)」の抗議デモ参加者たちは、ダボスの中心地にイグルー(ドーム状の家)をすでに建設済みで、「自称エリートたち」に対する抗議行動を計画している。(c)AFP/Andre Lehmann