【1月16日 AFP】米AP通信(Associated Press)は15日(日本時間16日)、北朝鮮の首都・平壌(Pyongyang)に支局を正式に開設した。支局は国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)の本社内に置き、北朝鮮人スタッフ2人で運営されるという。

 開設式には、AP通信のトーマス・カーリー(Thomas Curley)最高経営責任者(CEO)兼社長とKCNAの金炳鎬(キム・ピョンホ、Kim Pyong-Ho)社長が出席。カーリー社長は、平壌支局は世界各地のAP支局と同じく、不偏不党の基準の下で運営されると述べた。

 平壌市内の取材活動は北朝鮮政府の厳しい管理下にあり、外国人記者は仮に査証が取れたとしても、北朝鮮内での活動が厳しく制限されている。米国との間に正式な外交関係がない北朝鮮は、KCNAを通じて世界にメッセージを発している。

 AP通信は前年12月に平壌支局を開設する計画だったが、AP通信内の情報源によると、12月19日に発表された金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の死去で延期されていた。またカーリー氏率いるAP通信の幹部らは、支局開設を発表する直前に空路で北朝鮮に入り、すぐに北京(Beijing)に戻ったという。

 AP通信の映像配信部門APTNは2006年に平壌支局を開いていた。北朝鮮内で恒常的に運営されている西洋の報道機関は他にない。だが日本の共同通信(Kyodo)と中国の新華社(Xinhua)通信、ロシアのタス通信(ITAR-TASS)は北朝鮮に支局を持っている。

 支局開設の数日前には、北朝鮮の主要紙が英語版のウェブサイトを立ち上げていた。北朝鮮は、米SNSフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)への進出に続き、ネットでの存在感を高めようとしている。(c)AFP