【1月13日 AFP】超高層ビルの建設と金融危機には「不健全」な関連性がある――。英バークレイズ・キャピタル証券(Barclays Capital)が11日、このような指標報告を発表し、投資家は現在ビル建設が盛んな中国やインドを注視する必要があると忠告した。

 中国は現在、完成すれば高さ世界一となる高層ビルを建設中。インドも世界第2の高層ビルを建設している。しかし、バークレイズ・キャピタルは同社の「スカイスクレーパー・インデックス(超高層ビル指標)」では、次のように指摘している。

「わが社のスカイスクレーパー・インデックスは一貫して、完成すれば世界一になる高層ビルの建設と金融危機の到来に、不健全な関連性があることを示している。1930年のニューヨーク(New York)、1974年のシカゴ(Chicago)、1997年のクアラルンプール(Kuala Lumpur)。2010年はドバイ(Dubai)だった」

「世界の超高層ビル建設は、単に大建築ブームの一部であることが多いが、そこには広範囲にわたる資本配分の誤算も反映されており、経済の軌道修正が迫っていると言える。したがって投資家は、現在最も不動産開発に投資している中国と、2つの超高層ビルを完成させたばかりで尚も14の高層ビルを建設中のインドに、特別な注意を払うべきだろう」

 報告書は、「歴史が正しいことが証明されるとすれば、中国とインドの建築ブームは単に誤った資本配分であり、それは今後5年以内にアジアの2大大国の経済の矯正という形で現れるかもしれない」と締めくくっている。(c)AFP/Roland Jackson