【12月8日 AFP】再保険大手の独ミュンヘン再保険(ミューニックリー、Munich Re)は8日、数十年来で最悪となったタイの洪水による同社への保険金請求額は約5億ユーロ(約520億円、税引き前)になるとみられると発表した。

「タイ史上、最も損失額の大きい自然災害」(同社)となった今回の洪水は10~11月がピークだったが、現在も水が完全に引いていない地域があり、大きな被害を受けたバンコク(Bangkok)周辺の工業地域の損失額は依然としてはっきりしていないため、保険金請求額の推定には「不確実性」があるとしている。

 ミュンヘン再保険は経済的損失が拡大した理由として、洪水に見舞われたバンコクの周辺地域に主要産業が集中していたことを挙げた。

 一方、スイス再保険(Swiss Re)は6日、自社へのタイ洪水関連の保険金請求額は6億ドル(約460億円)に上るとの見通しを発表した。この金額は見直される可能性があるとしている。

 タイでは今年、雨期の3か月間に異例の激しい豪雨が続いたことから国土の広い範囲が浸水し、少なくとも675人が死亡したほか、数百万世帯が影響を受けた。(c)AFP