【11月28日 AFP】中国政府が巨額の外貨準備の運用効率向上を模索する中、4000億ドル(約31兆円)規模の中国政府系ファンド、中国投資有限責任公司(China Investment CorporationCIC)の楼継偉(Lou Jiwei)会長は28日、欧米でのインフラ投資に意欲を示した。

 楼会長は、英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)に寄せた論説記事の中で、「欧州と米国のインフラは今、追加投資を非常に必要としている」と述べ、CICとして英国でファンドマネージャーと提携したり、パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)に参加したいと述べた。

 さらに楼会長は、「これまでは、国外のインフラ計画に対する中国の関与は、請負事業者としてのものだった。だが今は、中国の投資家はプロジェクトへの投資や開発、運営に関与する必要が出てきたと考えている」とも述べた。

 CICは、中国の巨額の外貨準備の一部を投資するために2007年に設立された。中国の外貨準備高は、9月末の時点で世界最大の3兆2017億ドル(約250兆円)に達している。CICは最近、米国債などの金融資産からの多角化を図り、天然資源などの実物資産への投資を増やしている。

 欧州の指導者たちは世界第2位の経済大国である中国に、財政赤字に苦しむユーロ圏各国への支援を求めてきた。だがCIC幹部は今月、収益が見込める投資しか行わないとの方針を示した。(c)AFP