【11月15日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)で開かれている隔年開催のドバイ航空ショー(Dubai Airshow)で13日、中東最大手エミレーツ(Emirates)航空が、米ボーイング(Boeing)の「777-300ER」旅客機50機を発注した。発注額は史上最高の180億ドル(約1兆4000億円)。注目が集まる航空ショーの開幕とともに、早くもボーイングがライバルの欧州航空機大手エアバス(Airbus)に一歩、差をつけたかたちだ。

 業界筋によると、エアバスもカタール航空(Qatar Airways)から受注を取り付ける見通しだという。

 エミレーツ航空のシェイク・アハメド・ビン・サイード・マクトム(Sheikh Ahmed bin Saeed Al-Maktoum)会長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で、今回の発注は「ボーイングの歴史のなかでも、ドル換算の単独発注としては最大」で画期的なものだと語った。

 発注総額は「777-300ER」20機の追加発注オプションを含めて260億ドル(約2兆円)に上り、世界金融危機の最中に開かれた2009年の前回ショーでの発注額140億ドル(約1兆800億円)を上回る。

 マクトム会長は、新規発注は長距離路線を拡大し、ドバイと世界をつなぐ最先端の航空会社でありつづけるための経営戦略を確実にするものだと説明した。

 エミレーツ航空はボーイング発注機のほかにも、エアバスの大型旅客機A380を73機、A350を70機を発注済みで、同航空が購入したA380の数は世界最大の計90機となっている。

 現在、エミレーツ航空は大型旅客機162機を保有。運航路線は67か国、115路線。

 2007年の同航空ショーでは、各航空機メーカーは計1555億ドル(約12兆円)の商談を成立させている。(c)AFP/Ali Khalil