【11月12日 AFP】米格付け会社スタンダード&プアーズ(Standard and Poor'sS&P)は11日、前日にフランス国債の格付け引き下げを知らせる自動警告メールを誤配信した原因は、同社のウェブサイトの改変に伴う技術的ミスだったと発表した。

 欧州の当局者の間で格付け会社の規制が取りざたされる中、S&Pは「格付け引き下げに関する昨日のメールの誤配信は、フランスの格付けとはまったく関係のない技術的問題によって起きたものだと断定した」とする声明を発表した。

 説明によると、S&Pは2010年12月に自社の「グローバル・クレジット・ポータル(Global Credit Portal)」で提供している各国別の銀行業界カントリーリスク評価(Banking Industry Country Risk AssessmentBICRA)の技術テストをフランスを例にして行った。しかし、テスト後もポータルのBICRAランキング上にこのデータを残したままだった。

 そして10日にS&PがBICRAの見直しを発表した際、ポータル上のフランスのカントリー評価が自動的に「なし(N/A)」となった。これが引き金となって、仏国債の格付け引き下げを登録している人に知らせるメールが誤送信された。最上位のトリプルAである仏国債の格下げに、S&Pが訂正を発表するまで、市場はしばし大混乱した。

 その後S&Pは「AAA/A-1+」という仏国債の格付けは 将来的にも安定していると繰り返し強調した。しかし、厳しい財政状況のフランスの格下げを示唆する格付け会社が現れ、イタリアの財政をめぐる混乱も続いている中、今回のS&Pによる誤配信は欧州の政策立案者たちを激怒させた。(c)AFP

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