【11月7日 AFP】豪カンタス航空(Qantas Airways)は6日、労組ストの対抗措置として行った2日間にわたる全便運航停止で影響をうけた乗客らに、おわびとして航空券10万枚を無料で提供すると発表した。

 同航空が広報活動として2000万豪ドル(約16億3000万円)を投じた無料航空券サービスは、前月末の全便運航停止で影響を受けた乗客を対象に、オーストラリア国内またはオーストラリア-ニュージーランド間の往復券を無料で提供するというもの。12月14日から2年間有効だという。新聞にも全面広告が掲載された。

 アラン・ジョイス(Alan Joyce)最高経営責任者(CEO)は、カンタス航空の運航が安定に向かうなかで、乗客へおわびの気持ちを示すキャンペーンの一環だと説明した。また、海外の乗客や常連客を対象とした補償キャンペーンも近く発表する予定だという。

 カンタスではパイロット、整備士、地上職員の3労組がリストラ計画などに抗議するストライキを数か月前から断続的に行ってきたが、これにジョイス最高経営責任者は前月29日、国内・海外で全便の運航を停止する措置で対抗した。オーストラリア経済への悪影響を懸念した豪政府の介入により、労使双方は31日、ほぼ通常業務に戻った。

 運航停止の影響を被った乗客は、全世界で約7万人に上る。怒った乗客たちは、二度とカンタス航空は利用しないと口にしていた。

 これに追い討ちをかけるように、カンタス航空のA380旅客機が4日、エンジンの不具合でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)に緊急着陸した。同型機は、ちょうど1年前にもエンジンの爆発で、シンガポールに緊急着陸している。(c)AFP/Amy Coopes

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