【11月3日 AFP】ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領とアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は2日、欧州連合(EU)によるギリシャ支援策をめぐり国民投票を行うと表明したギリシャのヨルギオス・パパンドレウ(George Papandreou)首相と会談し、会談後の記者会見で「ギリシャはユーロ圏にとどまりたいのであれば支援策を即刻受け入れるべきだ」と警告した。

 明らかに憤慨している様子の2人は、国民投票をやりたいのなら、あらゆる不確実性を取り除くためにもなるべく早くやるべきだと強い口調で述べ、ギリシャにはユーロ圏にとどまってほしいが「ただ乗り」は厳禁だと口を揃えた。

 サルコジ大統領は、「ギリシャはわれわれと一緒に冒険をするか否かを決断すべき。われわれはギリシャと一緒に冒険を続けたいが、尊重されるべきルールがある」「ギリシャが支援策を承認しないのならば、EUとIMF(国際通貨基金)はギリシャに対する6回目の融資は行わない」と述べた。

 メルケル首相は、「ギリシャがユーロ圏にとどまりたくないと言うのならそれを認めるが、われわれはユーロを放棄しない」と続け、サルコジ大統領は「われわれはユーロ、ひいては欧州を崩壊させたくない。ギリシャは自由に選択できるだろうが、われわれはユーロ圏の安定に責任を負っている」と強調した。

 観測筋は、EUとIMFによる80億ユーロ(約8500億円)の追加融資がない場合、ギリシャは公務員給与の支払いに支障をきたし、数週間以内にはデフォルト(債務不履行)に陥る危険性があると指摘している。

 フランス・カンヌ(Cannes)で行われた会談で、パパンドレウ首相はユーロ圏におけるギリシャの将来が危機にひんしていることを認めた上で、国民投票を来月4日に実施する意向を明らかにした。国民投票の具体的な内容は明らかにしなかったが、「有権者はユーロ圏にとどまることを選択すると確信している」と述べた。(c)AFP/Hui Min Neo

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