【10月16日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相の相次ぐセックススキャンダルと国外でのイタリアブランドの低下に、首相の仲間の実業家たちが文句を口にする中、カルロ・パガーニ(Carlo Pagani)氏はビジネスチャンスを見出した。

 プラスチック製品を作る小さな工場を経営するパガーニ氏は、ベルルスコーニ氏が開催したとされるエロチックなパーティー「ブンガブンガ」に触発され、媚薬(びやく)効果をうたったブレスレット「ブンガブンガ・バンド(Bunga Bunga Band)」を開発した。さらにパガーニ氏はブンガブンガに関連する商標を多数登録しており、第一弾のブレスレットに続いて、ネックレスやキーホルダー、香水、ランジェリー、ボディオイルなどを展開する考えだ。

「ブンガブンガという単語を聞いたとき、魅惑的な響きを感じた」と、パガーニ氏はAFPの取材に語る。パガーニ氏の工場は、イタリア北部ベルガモ(Bergamo)市そばのグルメッロ・デル・モンテ(Grumello del Monte)にある。

「ブンガブンガは非常に前向きな響きがある。人生の謳歌(おうか)だ!」とパガーニ氏。同氏の工場では、仏化粧品大手「ロレアル(L'Oreal)」や伊ファッション大手「プラダ(Prada)」などの大手ブランドのアクセサリーも製造している。

 パガーニ氏は完成したブレスレットを1つ、ベルルスコーニ氏に贈呈し、スキャンダルまみれのベルルスコーニ氏にジョークを届けたいと語る。

 ベルルスコーニ首相本人も、「ブンガブンガ」スキャンダルをジョークの種にしている。卒業式で学生2人にブンガブンガに出ないかと声をかけてみたり、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が訪問した際には絵画『パルナッサス(Parnassus)』(1811)を指して「1811年のブンガブンガだ」と呼んだりしている。

 だが、メディア王ベルルスコーニ氏の所有するテレビ局としては、このブレスレットにあまり乗り気ではないようだ。同アクセサリーの広報担当者は、ベルルスコーニ氏のメディアグループ「メディアセット(Mediaset)」にブンガブンガ・バンドの広告掲載を拒否されたと語っている。(c)AFP/Mathieu Gorse


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