【10月7日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は7日、ソニー(Sony)が、スウェーデンの通信機器大手エリクソン(Ericsson)と合弁で設立した携帯電話会社ソニー・エリクソン(Sony Ericsson)を完全子会社化する方向で交渉が進んでいると報じた。

 WSJは関係筋の情報として、ソニーがエリクソンの持ち株50%を全て買い取り、「スマートフォン(多機能携帯電話)事業とタブレット端末や携帯ゲーム機、パソコンなどの事業を統合して、コスト削減やモバイル機器の同時開発を目指す」と伝えている。

 WSJによると、ソニーは競合する米アップル(Apple)や韓国サムスン電子(Samsung Electronics)がスマートフォン戦略とタブレット端末戦略の緊密な連動を進めていることを受け、エリクソンとの合弁解消を強く求めているという。

 ソニーは、米アップル(Apple)のオンライン・ミュージックストア「iTunes」や携帯端末向けアプリ配信サービスApp Store(アップストア)に対抗し、保有する膨大なコンテンツを自社のゲーム機やスマートフォン、タブレット端末を通じて提供する戦略を進めているが、アナリストらは今回の交渉が成立すれば、この動きが加速するだろうとみている。

 2001年設立のソニー・エリクソンは現在、世界第6位の携帯電話メーカーで、従業員数は世界で7600人。WSJによると、ソニーとエリクソンは近年、合弁事業のあり方をめぐって定期的に協議を重ねていたという。(c)AFP