【10月3日 AFP】中国の電子商取引大手アリババ(阿里巴巴、Alibaba)のジャック・マー(Jack Ma)最高経営責任者(CEO)が、米インターネット検索大手ヤフー(Yahoo!)の買収に「関心」を示しており、複数の非公開投資会社などから買収をめぐり接触を受けていると、3日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)が報じた。

 WSJによると、ジャック・マー氏は9月30日に米スタンフォード大学(Stanford University)で行われたイベント「チャイナ2.0(China 2.0)」でこの発言をした。マー氏の広報担当者は記者団に対し「発言の通りだ」と語り、詳しい説明はしなかった。

 米ヤフーが前月従業員に送ったメモによれば、経営悪化に苦しんでいる米ヤフーはキャロル・バーツ(Carol Bartz)前CEOの解任後、同社に関心のある「複数の企業」から問い合わせを受けたという。このメモは、ヤフーの取締役会が同社の一部売却先を探しているとの報道が出るなか、明らかにされた。

 米ヤフーはアリババ株の43%を保有しており、アリババはヤフーが持つ最良の資産の1つとされている。だが今年に入って、アリババのオンライン決済プラットホーム「Alipay」をめぐり、両社の関係はぎくしゃくしていた。

 米ヤフーは5月、米証券取引委員会(Securities and Exchange CommissionSEC)に、「Alipay」の所有権がマー氏がほぼ全てを所有する中国企業に移されたと報告した。ヤフーは、この所有権移転が、アリババの取締役会や株主に通知も承認もされずに行われたと述べたが、マー氏側は中国のライセンス規則にもとづき所有権移転をヤフー側に通知していたと主張。両者は最終的に7月に和解した。

 アリババグループには、登録ユーザー数約3億7000万、商品掲載数約8億点の中国最大手のネットオークション「淘宝(タオバオ、Taobao)」も含まれている。(c)AFP