【9月18日 AFP】東日本の小さな温泉街が、伝統保護と観光振興の取り組みとして、新人芸者3人を雇う計画を進めている。

 東京都から130キロ南西にある下田市は、国の雇用創出事業を活用し、6か月の芸者育成プロジェクトに523万円の予算をつけた。下田市広報担当者が16日、AFPに語った。

 訓練生は日給約6200円を受け取り、12年3月までの6か月間、週5日働く。育成プログラム修了後、地元で行われる19世紀の芸者を供養する祭りで、芸を披露することになる。

 西洋では売春婦とあまり変わらないイメージを持たれている芸者だが、実際には非常に高度な訓練を受け、舞踊や楽器演奏をこなし、お座敷遊びや会話で客を楽しませる。

 芸者の需要は日本全国で年々落ちてきた。だが、観光イベントなどに芸者が登場すると、観光客も喜ぶと市当局者は語る。

 30年前、下田市には200人の芸者が活動していた。だが現在ではパートタイムの5人が残るのみ。彼女たちが地元の舞や歌を受け継いだ最後の人びとになるため、市はこの文化を継承したいと考えている。(c)AFP