【8月16日 AFP】航空市場におけるシェアの減少と国際線部門の赤字に苦しむ豪カンタス航空(Qantas Airways)は16日、アジアを重視した大規模な事業改革を含む5か年経営計画を発表した。

 カンタス航空は近年、相次ぐ事故や燃油の高騰などから経営が悪化しており、アラン・ジョイス(Alan Joyce)最高経営責任者(CEO)が「変化を起こさねばならない」と言明していた。構造改革には国際線部門での1000人の人員削減、発注済みの最新鋭大型旅客機エアバス(Airbus)A380型機6機の納入を最大で6年間遅らせることなどが含まれている。

■JAL、三菱商事とLCC「ジェットスター・ジャパン」設立

 改革の一環として、日本航空(Japan AirlinesJAL)、三菱商事(Mitsubishi Corp.)と格安航空会社(LCC)「ジェットスター・ジャパン(Jetstar Japan)」を設立する。出資比率は、各社それぞれが3分の1ずつで、2012年内にエアバス(Airbus)のA320型機3機で運航を開始し、その後数年間で24機まで増やす予定だ。

 ほかにも、アジアを拠点に高級航空会社の合弁事業を立ち上げる計画になっている。カンタス航空ブランドでは運航しないが、同社のノウハウを活用する。社名と拠点を置く場所は未定だが、著しい成長が見込める地域に注目している。こちらは当初A320型機11機を就航させる予定。

 5か年計画の主な目的は国際線部門の収益性を回復することで、ジョイス氏がカンタスにとって最も重要な地域と位置づけるアジアを重視した内容となっている。同社は今後10~15年の機体更新と同社の成長を支えるためエアバスA320型機を新たに最大で110機調達し、さらに194機を仮発注する契約を結んだという。

 カンタスが新たに購入するA320型機の最初の3機はジェットスター・ジャパンに投入される予定になっている。ジェットスター・ジャパンは当初は成田空港や大阪の国内路線で運航し、順次、アジア主要都市への短距離国際路線にも就航する計画になっている。(c)AFP/Martin Parry