【8月2日 AFP】中国国営メディアは1日、従業員の自殺が相次いだ台湾系大手電子機器メーカー富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)が、今後3年間で、中国国内の工場の従業員50万人をロボットに置き換える計画だと伝えた。

 フォックスコンは、アップル(Apple)やソニー(Sony)、ノキア(Nokia)などの製品の組み立てを行うコンピューター部品メーカー世界最大手。中国のニュースサイト、チャイナ・ビジネス・ニュース(China Business News)によると、同社の郭台銘(Terry Gou)会長は、「単純な」作業のためにロボット100万台を使うと語ったという。

 複数の中国メディアは、7月29日に同国南部・広東省深セン(Shenzhen)で行われた同社イベントで、郭会長が同社従業員1万人を前にこの計画を発表したと報じている。

 フォックスコンは塗装や溶接、組み立て作業などにロボット1万台を導入済み。2012年には30万台に、2014年には100万台まで増やす計画だという。この報道について、フォックスコン広報のコメントは得られていない。

 フォックスコンが中国国内に持つ工場の従業員数は合計およそ100万人で、その約半数は深センにある同社の主力工場で勤務している。

 昨年以降、深センを中心に、フォックスコンの従業員少なくとも14人が死亡し、自殺とみられている。活動家らは、同社工場の過酷な労働環境が死を引き起こしたと批判し、従業員の待遇改善を求めていた。

 フォックスコンは深セン工場の規模縮小を検討している一方、深セン以外の中国各地で人員を増やしている。(c)AFP