【7月21日 AFP】経済が好況にわくアジアに拠点を置く世界の大企業が増えていることが、20日に事業用不動産サービス会社、シービー・リチャード・エリス(CB Richard Ellis)が発表した国際企業に人気のある世界都市ランキングで明らかになった。

 1位は香港(Hong Kong)、2位はシンガポール、3位が東京だった。上位5位にアジア以外で入ったのは4位の英ロンドン(London)だけで、5位は上海(Shanghai)だった。

 このランキングは国際企業280社の事業所拠点について調査したもので、うち全体の約68%にあたる191社が香港に拠点があると答えた。またシンガポールに拠点を持っている企業も約67.5%にあたる189社に上った。レポートは「世界のビジネスハブのランキングにおけるアジアの独占には目を見張るものがある」と注目している。

 6位以下10位までにはモスクワ(Moscow)、北京(Beijing)、マドリード(Madrid)、ドバイ(Dubai)、パリ(Paris)が入り、ニューヨーク(New York)は11位だった。

■オフィススペース不足で香港から逃げる動きも

 香港は不動産価格の高騰で、昨年は事業所スペースの賃貸コストが世界で最も高い都市になったにもかかわらず、今回のランキングでトップに立った。

 シービーの香港・マカオ・台湾担当不動産調査ディレクター、エドワード・ファレリー(Edward Farrelly)氏は、香港が「ユニークな位置づけ」となっている理由について、ロケーション、国際性、外国資本の出資比率に制限がないこと、英語を含む3つの言語が話されていること、高い技能を有する労働力などを挙げ、「中国にアクセスするための鍵となる玄関都市。また徐々に進んでいる中国の金融サービス市場の自由化の恩恵が最も見込める都市でもある」と分析している。

 一方でファレリー氏は、「グローバル企業戦略ではますます費用対効果が追求されるようになっている。香港のオフィススペース不足はこれに対する障害となる」と語り、今後は、オフィススペース市場がタイト化している香港から他の都市に拠点を移す動きが加速する可能性もあると指摘した。(c)AFP