【7月11日 AFP】米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏による英衛星放送大手BスカイB(BSkyB)の完全買収計画が、英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)」の電話盗聴スキャンダルの余波で、頓挫しかねない状況となっている。マードック氏は急きょロンドン(London)へ飛び、自ら事態収拾にあたり始めた。

 マードック氏率いる米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)は近く、すでに傘下に収めているBスカイBの株式の残り61%を取得して、完全買収を完了する予定だった。だが、マードック氏の側近中の側近がニューズ・オブ・ザ・ワールド編集局で広く行われていた電話盗聴の事実を知っていたとの報道を受け、英国内では買収阻止の動きが広がっている。

 英政府は、買収手続きを数か月先送りする可能性を示唆。野党・労働党(Labour Party)のエド・ミリバンド(Ed Miliband)党首は、議会での議決も視野に、警察が盗聴問題の捜査を終えるまで買収計画をいったん棚上げするよう強く求めている。(c)AFP