【7月7日 AFP】米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's Investors Service)がポルトガル国債を「投資不適格」水準に格下げしたことをうけ、欧州各国は7日、米国の格付け機関に対する怒りをあらわにしている。

 欧州が特に憤慨しているのは、格下げのタイミングだ。ポルトガルは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から780億ユーロ(約9兆400億円)の緊急支援を受ける条件として4月に合意した緊縮財政政策に、まさに着手しようとしていたところだった。

 EU欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長は、「欧州に関する評価となると、市場には偏向があるようだ」と述べ、米国の格付け機関は欧州に不利な格付けを行っていると示唆。さらに、米国の格付け機関に対抗しうる欧州の格付け機関の台頭が必要だと強調した。

 ポルトガル国債の格下げをうけて、ユーロは下落し、ポルトガルの債務は膨らんだ。これにより、スペインやイタリアも影響を受けた。(c)AFP/Laurent Thomet