【6月27日 AFP】従業員に賃金を支払えなくなったと発表していたスウェーデンの自動車メーカー、サーブ(Saab)が、中国企業からの受注により、賃金や一部部品メーカーへの支払いが可能になった。サーブの親会社であるオランダの高級スポーツ車メーカー、スウィーディッシュ・オートモービル(Swedish Automobile、旧スパイカー・カーズ)が27日、発表した。

 スウィーディッシュ・オートモービルは23日、サーブが現金不足に陥り、従業員の賃金支払いができない状態になったと発表。だが27日になって、「中国企業からサーブ車582台、総額1300万ユーロ(約15億円)の注文があった。今週中に全額の入金が完了する見込みで、サーブは従業員の賃金の支払いや一部部品メーカーへの支払いのための短期的な資金を調達できた」との声明を発表した。注文を受けた中国企業の名前は明らかにしていない。

 サーブは、この売り上げだけでは製造を再開することができず、なおも短期的な資金調達を模索している。

 スウィーディッシュ・オートモービルのビクター・ミュラー(Victor Muller)最高経営責任者(CEO)は声明で、「この合意を発表できることをうれしく思う。これにより、サーブは必要な短期資金繰りの一部を確保することができ、従業員への賃金を月内に支払うことができる」と述べた。

「スウィーディッシュ・オートモービルとサーブは、複数の関係企業などと、製造再開に必要な短期資金の確保について協議を続ける。しかしながら、これらの協議が成功して短期資金が調達できるかどうかは、まったく保証できない」と、ミュラーCEOは述べた。(c)AFP