【4月14日 AFP】米電機・金融大手ゼネラル・エレクトリック(General ElectricGE)が法人税の還付金32億ドル(約2700億円)を米財務省に寄付すると発表したと13日に報道されたが、法人税問題を追究する複数の団体による作り話だったことが明らかになった。

 GEの偽プレスリリース(報道発表)を出したのは「USアンカット(US Uncut)」と「イエス・メン(Yes Men)」という2つの団体。GEが前年の所得税を納めていないとの報道に抗議する目的だったという。偽の報道発表を報じた報道機関には米AP通信などの大手通信社も含まれていた。

 偽のプレスリリースには、GEのロゴと同社のキャッチコピー「GE: Imagination at Work(GE-想像をカタチにするチカラ)」が記載され、GE公式ウェブサイトに似せたウェブサイトへのリンクも貼ってあった。ジェフリー・イメルト(Jeffrey Immelt)CEOが「市民からの抗議」に応えて、32億ドルの税還付金を「財政削減の補填と雇用確保のため」に政府に寄付するとの内容だった。

 その後、本物のGE広報がこのリリースは偽物だと発表したが、すでに複数の大手ニュースメディアが報じてしまった後だった。GE広報によると、同社は税還付そのものを受けていないという。

 イエス・メンのメンバーはAFPの取材にEメールで回答し、「米国には、米市民への行政サービスを削減する一方で企業の納税逃れを認める、とんでもない法律が存在する。これは犯罪だ。われわれは法律を変えねばならない」などと主張した。イエス・メンは前年、米石油大手シェブロン(Chevron)をめぐっても偽情報を流している。(c)AFP

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