【3月1日 AFP】総務省が1日発表した1月の完全失業率は前月と比べ横ばいの4.9%となったが、個人消費支出は前年同月比1.0%減少し、4か月連続のマイナスとなった。

 失業率は予測と同じ4.9%だった一方で、厚生労働省が同日発表した1月の有効求人倍率は0.61倍に上昇して2009年1月の0.64倍に次ぐ高倍率となり、景気回復の兆しを示すものとなった。

 JPモルガン(JP Morgan)の足立正道(Masamichi Adachi)氏は米ダウジョーンズ・ニュースワイヤーズ(Dow Jones Newswires)に対し、「(有効求人倍率は)回復の速さという点でとても印象的だ」と述べ、雇用市場に持ち直しの兆しがあるとの見方を示した。

 しかし、個人消費支出は、前年同月比3.3%減だった前年12月に続いて1月もマイナスとなり、国内需要の冷え込みと、日本の輸出依存を示すものとなった。

 ニッセイ基礎研究所(NLI Research Institute)の斎藤太郎(Taro Saito)主任研究員は、個人消費支出は1.4%減少という事前予測よりは良かったものの、「輸出の回復で企業収益が増えて給与が上昇しない限り、個人消費も回復しない」と分析した。(c)AFP/Harumi Ozawa