【2月12日 AFP】渋滞でごった返し排ガスが充満するインドの交通事情に、究極の解決方法が見つかった――かもしれない。空中に垂直上昇し、渋滞の上空を飛ぶことのできる車だ。

 その車「フライング・マルチ(flying Maruti)」は、で開催された航空ショー「エアロインディア2011(Aero India 2011)」で、世界最新鋭の戦闘機たちの間に展示されていた。マルチ・スズキ・インディア(Maruti Suzuki India)の往年の名車「マルチ800」をベースにしたもので、車体ルーフの四隅にそれぞれ1枚ずつ回転する翼板と、4つのタイヤ部分にフードが付いている。

 開発者は、インド南部バンガロール(Bangalore)在住のヴィシュワナート(A.K. Vishwanath)氏(52)。車の構造については企業秘密の姿勢を厳格に貫いているが、AFPの取材に「車に関係する250万種類の形状と物体を研究し、複雑な理論を通じて、垂直上昇能力を車に与えることができた」と語った。

 発電機で装置のスイッチを入れ、その後は車のエンジンが「エネルギーの流れ」を供給して、垂直発進と推進力を得るという。開発に費やした期間は16年で、その間に40件の特許を取得した。ヴィシュワナート氏は多くのことが参考になったと述べ、一例としてミツバチの飛行能力を挙げている。

 しかし、「フライング・マルチ」はまだ一度も飛行試験をしていない。このため、この車の飛行能力に懐疑的な人も多い。(c)AFP/Pratap Chakravarty