【2月1日 AFP】31日の原油先物相場は、石油輸送の要であるスエズ運河(Suez Canal)を有するエジプトの政情不安をうけ、1バレル=100ドルを突破した。ロンドン(London)市場では、指標の北海ブレント(Brent North Sea)原油が1バレル=101ドルまで上昇した。原油価格が100ドルの大台に乗ったのは、金融危機が起きた2008年以降、初めて。

 エジプトでは、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求める抗議デモが7日目に入り、無期限のゼネストに突入する可能性も高まっている。

 エジプトは主要石油産油国ではないが、スエズ運河を通って輸送される石油は日量240万バレルに上る。これは、イラクやブラジルの1日当たりの石油産出量に相当する。

 エジプト当局は、スエズ運河は現在も全面運営を続けていると主張しているが、デンマークの海運大手A.P.モラー・マースク(A.P. Moller-Maersk)など、エジプトでの操業を停止する海運会社も出始めている。

 これに対し、石油輸出国機構(OPEC)のアブドラ・サレム・バドリ(Abdalla Salem El-Badri)事務局長は、スエズ運河を経由する原油が不足する可能性もあるとし、こうした事態になれば必要な手段をとると語った。(c)AFP