【1月24日 AFP】仏自動車大手ルノー(Renault)のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)会長兼最高経営責任者(CEO)は23日、同社の電気自動車(EV)をめぐる産業スパイ疑惑について初めて公式に発言し、狙われたのはEVの技術ではなく経営戦略だったと語った。

 仏週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)のインタビューに応じたゴーン氏は、「流出したのは技術情報ではなかったとの結論に達した。わが社の経営モデルに関するものだった可能性がある」とコメント。EVの主要3要素であるバッテリー、モーター、チャージャーを全て自社開発している企業がルノーだけである点を指摘し、「標的となったのはわが社のEV戦略だった」との見方を示した。

 ルノーと日産自動車(Nissan Motor)はEVに社運を賭け、40億ユーロ(約4500億円)を投資して2014年までに複数モデルを発表する計画を進めている。

 ゴーン氏の説明によると、ルノーは前年8月に調査を開始していたが「まず独自の調査を行い、問題の深刻さを測る必要があった」ため、当局への報告は今月になったという。

 産業スパイ疑惑をめぐってルノーは、機密を漏えいしたとして幹部3人を解雇処分としたほか、容疑者を特定しないまま刑事告訴した。一方、解雇された3人は関与を否定するとともに「報道によって名誉を傷つけられた」などとして会社側を提訴する姿勢を見せている。(c)AFP