【1月2日 AFP】南米で唯一、2010年も景気後退が続いたベネズエラのホルヘ・ジョルダニ(Jorge Giordani)財務相は12月30日、2010年初に導入した二重為替制度を廃止すると発表した。経済アナリストらは通貨切り下げによるインフレリスクを回避するためとみている。

 ベネズエラは、食料や医療関連の輸入品を対象に導入していた1米ドル=2.60ボリバルの為替レートを2011年1月1日から廃止し、1米ドル=4.30ボリバルの固定為替レートに一本化する。

 二重為替制度は、景気回復を目的に、ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領の肝いりで、5年ぶりの通貨切り下げとあわせて導入されていた。

 ベネズエラ中央銀行が12月30日に発表した統計によると、ベネズエラ経済は2009年に3.3%、2010年に1.9%縮小した。

 対照的にパラグアイは前月下旬、2010年の経済成長率は14.5%という記録的な水準だったと発表したほか、国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)は前月中旬、2010年の経済成長率はペルーが8.6%、アルゼンチンが8.4%、ブラジルが7.7%になるとの見通しを示した。(c)AFP

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