【10月18日 AFP】東京・羽田空港の新滑走路と新国際線ターミナルが21日に供用を開始し、31日から国際定期便が就航する。同空港の管理会社によると、年間6万回の発着で、700万人以上の乗降客が見込まれている。

 羽田での国際便就航は、利便性の悪さから財政難に陥っている地方空港や国内航空会社にとっても朗報だ。 

 東京を拠点とする航空リサーチ会社「Japan Aviation Management Research」のアナリスト、ジェフリー・チューダー(Geoffrey Tudor)氏は、「(中国や韓国など)アジア北部の膨大な人口を考えれば、羽田の国際化需要は巨大だ」と話す。

 だが、羽田の国際化に際しては、不満の声も聞かれる。

■欧米線の限定的な発着枠、高い着陸料がハブ化の障害に

 欧米線の発着枠は夜は午後10時以降、朝は午前7時までに限られており、欧米の航空会社は顧客に深夜や早朝の出発を強いる結果となっている。このため、ドイツ航空大手ルフトハンザ航空(Lufthansa)の日本支社は、「羽田を真のハブ空港とするならば、全ての航空会社の利便性を図るべく、さらなる開発が必要だ」との意見を述べている。

 業界関係者も、羽田国際化による利点ばかりに注目が集まっているが、日本の航空規制は世界で最も厳しく、空港着陸料も最も高額である点を指摘している。

 このため、スカイマーク(Skymark Airlines)やエアドゥ(Air Do)などの国内格安航空会社(LCC)は、欧米のLCCのようには思い切った低価格を打ち出せずにいる。

 先にLCCへの参入決定を発表した全日本空輸(All Nippon AirwaysANA)の成功も、部分的には日本の航空行政が燃料税の軽減などの方向へ動くか否かにかかっている。

「日本の空港は海外のライバル空港と比べて、まだコストが高すぎ、羽田もアジアのハブ空港となるには遅れをとっている」と、みずほインベスターズ証券(Mizuho Investors Securities)のアナリスト、岸恭彦(Takahiko Kishi)氏はいう。「韓国の仁川(Incheon)空港などと競合するならば、さらなる滑走路の増設や着陸料の引き下げが必要だ」

 航空アナリストたちは、楽観的な航空行政計画から、使用頻度の低い地方空港に助成金をつぎ込んだ結果、空港コストを引き上げていると指摘している。(c)AFP/ David Watkins