【10月7日 AFP】欧州連合(EU)と韓国は6日、自由貿易協定(FTA)に署名した。来年7月に発効する。EUはアジア諸国とのFTA交渉を進めており、その第1弾となる。

 署名式典はアジア欧州会議(Asia-Europe Meeting、ASEM)首脳会議が開催されたベルギーのブリュッセル(Brussels)で開かれ、韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領、EUのヘルマン・ファンロンパイ(Herman Van Rompuy)欧州理事会常任議長(EU大統領)、ジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)欧州委員会委員長らが出席した。

 EU27か国と韓国は、工業・農業部門の関税のうち98.7%を5年以内に撤廃し、残りの関税についても長期的にほぼ撤廃する。

 FTA締結をめぐってはイタリアが、自国の自動車産業への脅威を理由に異議を唱え、特に小型車市場について「急激な輸入増」から自国産業を守るための「セーフガード(緊急輸入制限)」を要求していたが、準備期間としてFTA発効を当初予定から6か月遅らせることを条件にEUが説得、合意に達した。

■新興国とのFTA急ぐ米欧

 世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が停滞する中、EUや米国は2国間交渉を活発化させている。マレーシアとのFTA交渉開始を発表したEUは、インドとも交渉を進めており、また南米諸国でつくる南部共同市場(メルコスル、Mercosur)とも交渉中だ。

 日本も、EUとのFTAの早期締結を目指したい意向を示している。(c)AFP