【10月7日 AFP】欧州連合(EU)首脳は6日、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)で中国の温家宝(Wen Jiabao)首相と会談し、人民元の切り上げを求めたが、会談は物別れに終わった。

 ヘルマン・ファンロンパイ(Herman Van Rompuy)欧州理事会常任議長(EU大統領)とジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)欧州委員会委員長は、会談後に声明を出し、「欧州と中国の構造改革が不可欠であること、適切な為替レートと国際的な不均衡の解消が重要であることを強調した」と述べた。

 EUの関係筋によると、3時間弱の会談は物別れに終わり、温首相は会見を開かぬまま次の訪問先のイタリアに向かった。
 
 人民元がドルにペッグ(連動)された状態が続く中、為替市場ではユーロが8か月ぶりの高値をつけた。人民元が過小評価された状態が続く場合、貿易フローが中国の安い輸出品に偏向していくことが懸念される。

 温首相はこれに先立ち、欧州・中国ビジネスフォーラムで「欧州の指導者には、人民元切り上げを迫る合唱に加わるべきではないと言いたい。人民元レートの急激な切り上げは中国企業の破綻、失業を招き、社会不安につながる」と述べていた。(c)AFP