【9月29日 AFP】スペインで29日、政府による労働市場改革と緊縮財政策に抗議する主要労組の24時間のゼネストが行われた。デモ隊が工場の外で集会を開く一方、通勤時間帯の交通機関に大きな影響が出た。

 首都マドリード(Madrid)では、バス停や地下鉄の駅で車両の到着を待つ通勤者や、徒歩で職場に向かう人びとの姿がみられた。ゴミの収集も止まり、労働者たちに出勤しないよう呼び掛けるビラが大量に路上を舞っていた。また主要新聞社が28日にストを行ったため、ニューススタンドから新聞が消えた。

■通勤に大きな影響、負傷者も

 マドリード以外の主要都市も同様の光景だった。スペイン第2の都市で観光都市のバルセロナ(Barcelona)は日曜日のような静けさだった。

 スペインのメディアは、バルセロナの食品市場でトラックがピケラインを通過しようとした際に1人が負傷するなど、ストライキに関連して全国で約15人が負傷したと報じている。

 主要労組のUGTは、全労働者の70%以上がゼネストに参加し、特に製鉄業と自動車製造業はほぼ完全にストを実施したと発表した。政府はスト参加者数の統計を発表していないが、主要産業の電力消費量が15.4%減ったとしている。

■国民の多くは「緊縮財政やむなし」

 しかし、労働市場改革と緊縮財政策は不可避との見解が広く共有されているため、ゼネストの効果は弱いものに終わるだろうとみられている。

 24日の現地紙プブリコ(Publico)が掲載した世論調査によると、回答者の55%が今回のストライキは正当だと考える一方で、参加すると回答したのは18%にとどまり、ストで政府の方針を変えさせることはできないと回答した人は71%に上った。(c)AFP/Denholm Barnetson