【9月29日 AFP】2009年のアジア太平洋地域における富裕層の増加率が先進国を上回っていたことが、富裕層向け資産管理会社メリルリンチ・グローバル・ウェルス・マネジメント(Merrill Lynch Global Wealth Management)と仏コンサルタント会社、キャップジェミニ(Capgemini)が28日に公表した調査報告書で明らかになった。

 この報告書は、投資可能な資産が100万ドル(約8400万円)を超える世界の個人富裕層(HNWI)を対象にした、ことし6月に公表された調査に基づいたもの。アジアの好調は経済が急成長中の中国とインドが原動力となっているという。

 2009年、富裕層人口の増加率が世界で最も高かったのは香港(Hong Kong)で、前年比104.4%増加した。富裕層の総資産高も同108.9%増と、世界最大の拡大幅を記録した。香港で富裕層が急増した理由としては、中国からの投資の急増を挙げている。同様にインドでも、富裕層人口が51%、総資産高が54%増加した。

 アジア太平洋地域の富裕層はオーストラリア、中国、日本に集中し、この3か国で富裕層人口の76.1%、総資産高の70.0%を占めた。なかでも日本は同地域の富裕層の54.6%、総資産の40.3%を占め、同地域最大の個人富裕層市場を誇るが、アジアの他地域と比べて富裕層人口、総資産ともに増加率が鈍化している。

 アジア太平洋地域で2番目に巨大な個人富裕層を持つのは中国で、富裕層人口47万7000人は全世界でも第4位の規模だった。(c)AFP