【9月28日 AFP】英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は28日、ブラジルのギド・マンテガ(Guido Mantega)財務相が27日にサンパウロ(Sao Paulo)で、多くの国が国内の経済問題を輸出によって解決しようとしているため、世界は各国が自国通貨安に誘導し合う「通貨戦争」の様相を呈していると語ったと報じた。

「現在我々は国際的な通貨戦争のただ中にいる。自国通貨を安くしようという戦いだ。これはわが国の輸出競争力を弱め、わが国にとって脅威になっている」(マンテガ財務相)

 同紙は最近、日本、韓国、台湾が自国通貨高に対応するため為替市場に介入したことに言及し、ブラジルの通貨レアルは今年これまでに対米ドルで25%も高くなり、ブラジルの米国向け輸出産品の価格上昇につながっていることも伝えた。

 米国は数年前から、中国が人民元の為替相場を人為的に低く抑えていると批判しているが、このこともマンテガ財務相の発言の背景にある。

 先週訪れた米ニューヨーク(New York)でビジネスフォーラムに出席した中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は、米政府の圧力に屈して中国が20~40%の人民元切り上げに踏み切った場合、中国国内の企業倒産や失業、仕事を失って沿海部から内陸部に戻る人がどの程度出るか予測しきれず、大きな社会的混乱を招く恐れがあると語った。(c)AFP