【8月11日 AFP】トヨタ自動車(Toyota Motor)は11日、イランへの自動車の輸出を6月上旬から無期限に停止していることを明らかにした。

 トヨタは声明で、イランの核開発問題をめぐる制裁などに配慮したと述べ、「今後も国際情勢を注視していく」としているが詳細については触れていない。

 同社のイランへの輸出台数は08年の4000台から、09年はスポーツタイプ多目的車(SUV)「ランドクルーザー」約250台と激減している。今年はこれまでに220台を輸出していた。

 イランに対する輸出は米国の制裁を妨害することにはならないが、11日付の日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)は、トヨタは「最大の市場である米国での事業に影響が出かねないと判断」したと報じた。
 
 イランへの輸出の全面停止を明らかにしたのは現時点でトヨタだけだが、ほかの日本企業も慎重な構えを取っている。

 三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries)の広報担当者は、現在もすでにイランへの出荷については綿密な調査を行っているが、今後は新たな制裁に準じて一層厳しく調べていくと述べた。

 新日本製鉄(Nippon Steel)やJFEホールディングス(JFE Holdings)は、イランからの発注については経産省に相談の上で、顧客の審査と最終用途の確認を行っているとしている。(c)AFP