【7月18日 AFP】インドで15日、通貨ルピー(rupee)を表す記号のデザインが発表された。ドルや円、ポンド、ユーロと同様に、ルピーの世界的な認知度向上につながることが期待されている。

 アルファベットの「R」と、ヒンディー語を書き表すデーヴァナーガリー文字の「ラ」の音を表す文字を図案化した。

 ルピーを表す記号のデザインはインド全国で公募され約3000人が応募した。最終選考に残った5つの案を閣僚らが審査し、インド工科大学(Indian Institute of TechnologyIIT)の大学院生、ウダヤ・クマル(Udaya Kumar)さんのデザインが選ばれた。クマルさんには賞金25万ルピー(約46万円)が贈られた。

 クマルさんは「デザインの条件としてインドの文化を反映し、コンピューターのキーボードでも使いやすいことが挙げられていました。私のデザインは水平方向の線があり、横方向に3色に分かれたインド国旗のデザインにも似ています」と地元テレビ局に語った。

■インドの人は高評価

 インド政府はこの記号をコンピューターで使えるようにし、2年以内に国際的に広く使われるようにしていく方針だ。現在ルピーは「Rs」、「Re」、「INR」などの省略形が使われることが多い。新しい記号が普及するかどうかはまだわからないが、首都ニューデリー(New Delhi)で話を聞いた人たちは新しい記号を歓迎している。

 ニューデリー中心部の繁華街コノート・プレイス(Connaught Place)にいた22歳の学生は「初めて見ましたけど、格好いいと思います。インド人として独自の通貨記号が持てたのはうれしいですし、世界的に知られるようになればいいと思います」と話してくれた。

 インドの金融の中心地ムンバイ(Mumbai)で投資銀行のエコノミストとして働いている女性も新しいルピー記号はオリジナリティーがあって見分けやすいと高く評価し、コンピューターのキーボードで使えるようになるのが試金石になるだろうと語った。(c)AFP/Neha Lall