【7月13日 AFP】中国でアウトレットモールを展開する「フォックスタウン(Foxtown、中国名:上海富客斯実業)」は12日、イタリアの高級ブランド「プラダ(Prada SpA)」株の取得を進めていることを認めた。

 フォックスタウンのプラダ株取得については中国紙、経済観察報(Economic Observer)がすでに報じていた。フォックスタウンの広報担当者は同社の陸強(Lu Qiang)会長が経済観察報の取材に応じたことを認めた一方、「この件を公にするつもりはなかった。報道以降、プラダ側が価格を引き上げたため株式の追加取得を断念するかもしれない」と語った。

 同紙によると、陸強氏は2年前から間接的にプラダ株式の取得を始め、すでにプラダ全株式の約13%を保有しており、さらに最大で20%の株式を取得してプラダの筆頭株主になることを目指していた。

 だが、ある匿名のプラダ関係者はAFPに対し、陸強氏が13%の株式を取得しているとの報道について「まったく事実無根」だと語った。

■500億円投じて筆頭株主目指す

 経済観察報によれば、陸強氏はイタリアのコンサルティング会社を通じ、これまでに2000万ユーロ(約22億円)を投じてプラダ株を取得した。4億5000万ユーロ(約500億円)でプラダの債権者から株式を買い取る計画だったが、最近になってプラダが価格を引き上げたため必要な資金は6億~7億ユーロ(約670億~約780億円)に上昇してしまった。

 これについて陸強氏は、「中国人に買収されれば、ブランドイメージが傷つくとプラダ側が考えたためだろう」と語ったとされる。陸強氏は、プラダ株の追加取得が不可能になれば、来週にも保有するプラダ株をすべて売却する考えだと報じられている。
 
 プラダをめぐってはイタリア紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)が6月末、匿名の関係者からの情報としてプラダは自社の価値を少なくとも40億ユーロ(約4400億円)程度と見積もっていると報じた。

 1913年にイタリアで皮革製品店として創業したプラダは、これまでに何度か株式公開を検討したものの、市況の悪化などで見送ってきた経緯がある。6月初めにコリエレ・デラ・セラは、ミラノ(Milan)と香港(Hong Kong)の証券取引所への新規株式公開(IPO)をプラダが再検討していると報じていた。(c)AFP

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