【7月1日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で6月30日、賃金の引き上げを求める衣料品工場労働者のデモ隊が警察の機動隊と衝突し、現場は一時、大混乱に陥った。
 
 主に欧米衣料ブランド向けの工場で働く約1万5000人を超える労働者が、賃金引上げを求めてダッカ市内の主要幹線道路を4時間あまりにわたって封鎖して機動隊に投石した。機動隊が催涙弾、ゴム弾、放水などの強硬措置で解散させようとしたことから、現場は戦場さながらの大混乱となった。

 ダッカの警察幹部は「1万5000人から2万人のデモ隊が警察官に投石し、このため少なくとも10人の警察官が負傷した。4人の身柄を拘束した」と語った。数百人の機動隊員が出動し、沈静化まで数時間を要したという。

 一方、労働組合の指導者や目撃者の話によると、機動隊との衝突で労働者側も約50人が負傷し、重傷者も出ているという。また現場で取材していたAFPのカメラマンは、警棒で労働者の少年を殴る複数の警察官の姿を撮影した。

 この日は現場周辺の約50か所の衣料品工場が操業を中止した。

 バングラデシュでは、6月19日にも米ウォルマート(Wal-Mart)、スウェーデン系アパレルブランド「H&M」などの下請け衣料工場に勤める労働者らが1か月の最低賃金を5000タカ(約6400円)に引上げるよう求める抗議行動を行っていた。現行の最低賃金は世界でも最低水準の月額1662タカ(約2100円)となっている。(c)AFP/Cat Barton

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