【6月22日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で耳がちぎれそうなほど大きな音を鳴らしているブブゼラが、中国企業に特需をもたらしている。

 ブブゼラは中国国内外で販売数が急増しており、ブブゼラを製造する各社は需要に追いつくのに苦労している。中国の通販サイトでは売り切れるところも出てきている。中国国営英字紙、環球時報(Global Times)によると南アフリカで販売されているブブゼラの約90%が中国製だという。

 ブブゼラ製造メーカーの1つ、中国東部浙江(Zhejiang)省のプラスチック製品製造会社「Jiying Plastic Product」は、37種のブブゼラを生産している。卸値は1本約2元(約27円)。同社では今年の1月から4月までに南アフリカを中心に100万本以上のブブゼラを出荷した。現在もブブゼラの注文が続いており、同社では、W杯開催期間中にさらに30万~50万本のブブゼラを生産する予定だという。

 ブブゼラは中国国内でも人気を集めている。同社のゼネラル・マネージャー、Wu Yijun氏は「これまでブブゼラはすべて輸出向けだったが、5月以降国内で15万本の注文があった。W杯のおかげでわれわれのビジネスも大きく成長した。前年比で100%以上の売上増を見込んでいる」と話す。

 プラスチック業界のニュースを扱うウェブサイト、Huicong Plasticによると、玩具の製造が盛んな広東(Guangdong)省澄海(Chenghai)では、数百万本のブブゼラが生産されたという。澄海の玩具工場では、W杯での需要に応えるため、超過勤務をしてブブゼラを生産しているという。

 環球時報では、W杯後も南アフリカでブブゼラの需要があるとみており、南ア以外の国々からの需要も見込んでいる。

 中国ネット通販最大手「淘宝(タオバオ、Taobao)」など多くのサイトで販売されている。平均価格は約20元(約270円)ほどだ。(c)AFP