【6月2日 AFP】米アメリカン・インターナショナル・グループ（AIG）のアジアの生保部門AIAに買収を提案していた英保険グループのプルデンシャル（Prudential）は2日、AIG側が売却額の引き下げに応じなかったため買収を断念したと発表した。

　プルデンシャルはAIGに355億ドル（約3兆2400億円）を提示していたが株主が反発したため、300億ドル（約2兆7000億円）に下げるよう要請していた。

　プルデンシャルは買収交渉が終了する見通しとなり、AIG側に違約金1億5200万ポンド（約203億円）と、法務費用8100万ポンド（約108億円）を支払うことになると声明で発表した。

　プルデンシャルのハーベイ・マグラス（Harvey McGrath）会長は｢AIA（買収）は素晴らしいチャンスだったが、買収計画を発表して以降、マーケットが著しく下落した｣と述べた。

　今回の買収は成立すれば世界の保険業界最大の買収劇となり、プルデンシャルは競合する独アリアンツ（Allianz）や仏アクサ（AXA）を抜いて、中国系以外の保険会社では時価総額でトップに躍り出るはずだった。(c)AFP