【5月15日 AFP】アフガニスタン南部のケシ畑がピンク色に染まり収穫の時期が近づいているが、農家や関係者によると、世界のアヘンの90%を供給する同国の今年のアヘン生産量は大幅に減少する見込みだという。

 麻薬取引市場の撲滅という観点では良いニュースだが、旧支配勢力タリバン(Taliban)や麻薬ギャング団との戦いが激化するアフガニスタンで、家族を養おうと農業を営むアフガニスタンの農家にとっては深刻な事態になりかねない。

 農家や専門家によるとケシ収穫量減少の理由としては、一部地域で降雨量が多く、別の地域で干ばつが起きたことや、小麦などの作物の種子の無償提供、食用作物の価格が良かったこと、そして、一部地域でケシを襲った謎の病気などがあるという。

 この謎の病気については、一部の農家が米国と英国による化学薬品の散布によるものだと批判しているとの報告もあるが、国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and CrimeUNODC)は真菌類による植物の病気である可能性が高いと述べた。

 UNODCのアントニオ・マリア・コスタ(Antonio Maria Costa)事務局長は、英国放送協会(BBC)に対し、この病気がアフガニスタンで作付けされたケシの約半分に広がった可能性があり、同国の2010年のアヘン生産量は最大で25%減少するかもしれないと語った。(c)AFP/Lynne O'Donnell