【2月26日 AFP】大量の米国債を保有する中国が第三国で米国債を購入している可能性が25日、米議会の討論会で指摘された。主要な米国債保有国としての重要性を隠すことが狙いだという。

 討論会に参加した専門家らは、中国の米国債保有残高が公式統計より多いのはほぼ間違いないとして、ロンドン(London)、香港(Hong Kong)などで中国関連団体が米国債を購入している可能性を指摘した。

 中国が大量の米国債を保有することは米国の安全保障に影響を与え、米政府が中国と対立した状態では政策を実行しづらくなるとの声も上がった。

 国際通貨基金(International Monetary FundIMF)のチーフ・エコノミストを務めた経歴を持つマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のサイモン・ジョンソン(Simon Johnson)教授は、英国の米国債保有高が08年の1309億ドル(約11兆7000億円)から09年には3000億ドル(約26兆7000億円)に急増した背景には中国の存在があると指摘する。英国が09年に大幅な財政赤字にあることから、同教授はこの数値には当惑したとし、中国が英国以外のルートからも米国債を購入している可能性を指摘した。(c)AFP/P. Parameswaran