【2月5日 AFP】トヨタ自動車(Toyota Motor)の大規模リコールが、最新型の自動車に搭載されているコンピューターシステムに潜む問題点を提起する事態に発展している。

■フォードのハイブリッドでも不具合

 トヨタの人気のハイブリッド車、プリウス(Prius)のブレーキの不具合が問題となる中、米フォード・モーター(Ford Motor)も4日、2010年製フュージョン(Fusion)およびマーキュリー・ミラン(Mercury Milan)について、ハイブリッド車特有のブレーキ切り替えの際に違和感が報告されていることを認め、制御ソフトウエアの更新を発表した。

 トヨタは、リコールに関連する電気系統の問題はなく、アクセルペダルの不具合は比較的単純な技術的な問題によるものだと主張していが、リコールも検討しているプリウスのブレーキ異常については原因を特定できていない。

 一部の専門家は、プリウスのブレーキについても、ソフトウエアの問題の可能性があると指摘する。

■電子制御に潜む問題点

 ミシガン大学(University of Michigan)のフェイ・ペン(Huei Peng)教授は、ハイブリッド車は「回生ブレーキ」と「油圧ブレーキ」の双方を利用するが、その切り替えを制御するソフトウエアが適切に機能していない可能性があると話す。

 同教授によると、一般的な自動車には30~70の中央演算処理装置が搭載されており、ワイパーや灯火の操作から、車重や路面状況からブレーキにかけるべき圧力を割り出すことまで、あらゆることを制御している。ただ、これらの装置にいくつかのバグ(プログラムミス)があるのは珍しいことではなく、ほとんどはユーザーの知らないうちにディーラーで修理されるという。

 一方、これらの搭載コンピューター制御システムが、携帯電話などによって電子妨害を受けている可能性も浮上している。これがトヨタ車の意図せず加速する問題を引き起こしている可能性があり、ソフトウエアの確認が必要だと指摘する専門化もいる。

■米当局が調査を開始

 米道路交通安全局(National Highway Traffic Safety AdministrationNHTSA)は4日、新型プリウスのブレーキ問題に関する正式な調査に乗り出した。

 NHTSAによると、同問題についての苦情が124件寄せられており、「平坦でない道路や深い穴、段差などを走行中に一時的にブレーキが効かなくなる」問題について、消費者へのヒアリングと現地調査を開始したという。NHTSAは、ソフトウエアと電子妨害の双方を焦点に調査を進めているという。(c)AFP/Mira Oberman